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【便秘の臨床研究】現場リーダー品田慶太さんにインタビューしてきました!!

" 便秘, 臨床研究 "

2018年6月1日

私が所属する整動協会では、老健施設「かけはし」と共同で【鍼治療が便秘にもたらす効果】の研究をしています。 「かけはし」は以前お伝えした、鍼治療の効果の研究を行っている北斗病院グループが所有する老健施設です。

 

「かけはし」での研究には、私も研究者の一人として参加させていただき、施術も担当させていただいています。

 

今回は、「かけはし」の現場リーダーである、理学療法士で「自立支援」のスペシャリスト 老健かけはし施設長補佐 の品田慶太さんに

「老健施設における自立支援とは何か」「便秘が自立支援にどのような問題を起こすのか」「鍼灸師が自立支援施設で果たせる役割の可能性」についてインタビューしてきました!!

 

では、どうぞ

 

Q 施設長補佐になられた経緯を教えてください

二年前まで理学療法科の課長をしていて、

 

これからうちでつくっていく施設では「自立支援」をおこなっていく必要があるということになってですね、、、、

 

自立支援とは、端的に言うと「おむつを外せるようになるっていうのが人の尊厳である」ということです。

 

それで新しく自立支援に特化した部署を作る必要があるだろうってことで

私ともう一人が自立支援部のメンバーになったんです。

 

そこの役割というのは、もともと「かけはし」ができる予定だったので、その自立支援部をまず1年前に作り他の施設で足慣らしをしていって、

 

実際におむつを外すための取り組みをしていき、そのノウハウを、新しくつくられていく施設でやっていくのが前提で組織されたものなんです。

 

施設の理念である「自立支援」を中心におこなっていくため、私が施設長補佐という立場でやってるというところです。

 

もう一人も同じように、上士幌の老健施設で施設長補佐として自立支援を行っています。

 

ちなみにその時に理学療法科からは、はずれていて理学療法士としての17年のキャリアを終わらせてリハビリ分野からこちら側の自立支援の方にいったという経緯ですね。

Q 理学療法士が自立支援の分野に行くことは多いのですか??

いないですね。この分野だと介護士さんの分野なので、、、、

 

Q そうなんですね。では、自立支援に携わるようになったキッカケはなんだったんですか??

 

 

北海道で自立支援介護を一番やっていて、トップランナーが江別にある「夢あかり」という特別養護老人ホームがあるんですよ。

 

いわゆる北海道の中でトップなんですが、
実は、その総合施設長が私の理学療法士の学校の担任だったんですよ。

 

そういう面では、理学療法士で自立支援をやっているのは、北海道で私ともう一人の自立支援部長と私の担任の3人しかいないと思います。

 

そこで、理学療法士で施設をもっていて自立支援「おむつ外し」をやっている元担任のところに、法人関係者が見学をしにいって

 

「いや、実は北斗病院には教え子がいるはずだって、品田っていうんだけど、、、」

 

「あいつだったらもしかしたら、こういった考えに賛同して頑張ってくれるんじゃないか、、」

って話があって声がかかったのではないかと考えてます。

Q 便秘で悩まれていて谷地先生の鍼治療を受けたとお聞きしましたが、その時の印象と効果を教えてください。

 

印象は、そもそもそんなに正直、鍼というものに対してはあまりよくわからなかったというのとエビデンス(科学的根拠)に乏しいかなっていうのと、

 

怒られるかもしれないですが気休めかなーみたいに思ってたんですが、

一度やってもらってはっきりわかったのは、触ってるポイントが明らかに他のところと違う感覚で、そこに鍼をうたれて「あ、すごいな、、、」と思いました。

その時は、すぐに排便はなかったですけど、その日の夜とその次の日の朝にも便が出たんですよ。
出たので、あれコレはすごいと、、、

 

(副作用が無いという意味では)ある意味、薬よりも良いと、、いわゆる有効な非薬物療法だと思いましたね。

非薬物というのが味噌で薬をなるべく使わないと考えた時に自立支援のケアもそうですが、スゴイ効果の高いものではないかという可能性を感じましたね。

 

自分があの時に治療をしてもらって、便が出て「こんなにいいものがあるなら利用者さんにも提供したい」という気持ちが原動力やキッカケになってますね。

Q 鍼を受けた時の痛みはどうでしたか?

 

いつ刺されたかわかんない、、逆にかまえたのが拍子抜けするくらい。

しかも、あっという間に、、、

 

刺してすぐスッと抜いて変わるっていうのが、今まで自分が持っていた鍼のイメージと全然違うものだなと認識しましたね。

Q 施設で便秘の人はどれ位いますか?

下剤を常用している方が、約半数ぐらいはいると思いますね。

 

Q 施設には、何人くらいの方が入居されていますか??

 

90人くらいいるんですけど、その半数なんで40~50人くらいはなんらかの形で、

実際に便秘にならなくても、なんの薬のんでるか調べると、だいたいの方が、ユルイ下剤が常用で入っていますね。

もしかしたら、飲まなくてもいい人もいるかもしれませんが、下剤を常用して「便秘を恐れている方が非常に多いんだな」と感じます。

Q 便秘になると、どのような不調があらわれますか??

便秘になると、本来排泄されなければならないものが体にとどまっている状況で、

まず精神的に「気持ちが悪い」っていうのがありますし、

 

消化器系のことでいえば、便がとどまるということで腸の内圧があがります。

 

「腸と脳」は密接な関係してますので、腸の内圧が上がると交感神経が非常に刺激されます。

 

交感神経が刺激されると、気持ちが高ぶってイライラしたり眠れなかったり、いわゆる興奮状態になってしまいます。

 

リラックスした状態とは程遠くなり、それによって腸管の動きが悪くなってしまって薬を使わざるえなくなる。

 

それが効かなくなれば量を増やしたり、もっと強い薬を使うということになりますね。

排泄がコンスタントに出せている人は、肌の調子もそうですが、精神的に安定してい
る方が多いですね。

 

逆に便秘で便が出るか出ないかという時が一番イライラしているなという印象があります。

 

なんかソワソワしてたり、なんかいつもとちがうなって時は調べると5日排便がないなってことがあったり、逆に穏やかな時に調べると排便が昨日あったってことが多いですね。

 

そういったところでQOL(生活の質)に関わっているのかなっと思います。

Q 便秘が改善されると利用者さん、施設にどのようないいことがありますか??

施設側からいうと、老健施設というのは、下剤などの薬・おむつ・パットは全部施設持ちなんです。

 

ですので、排泄コントロールがうまくいかなくて便秘で排泄を失敗するからおむつが必要になって多いと経費がかさみます。また、当然便秘の薬が増えればそれもかさみます。

 

下剤を使わず、おむつにも頼らず自然排便ができれば、施設の経営の部分でも大きいですね。
なんで便秘でオムツが増えるかというと、下剤は便を柔らかくして出しやすくする分、便がサラサラになるので「したい」という気持ちがおきにくいんですよ。

 

かつ、本来硬さがあればとどまってられるんですけど、流れでるのでちょっとした気の緩みですこし出てしまって下着をよごしてしまう、、

 

下剤を使った便はいい形ではないので、本人にとってもちょうど良い踏ん張り・ちょうど良い我慢で、でるわけではなので不意にでてしまったりするので失敗がふえる。

「汚したくない、失敗したくない」だからおむつになってしまうんです。

 

自分でわかって良い性状の便がでるってことは、がまんも効くし「あっしたいわ」って思って準備しておトイレで出す。

 

そうなると下着も汚さず、そういった流れの排便が理想ですね。

 

そうなると介護士さんの負担も減りそうですね。

 

そうですね。パターンが読めるようになるとケアも楽になります。

 

Q まだ研究途中ですが便秘は改善されてきていますか?また痛みに対しも鍼をさせて頂いてますが、反応はどうですか?

 

そうですね。コンスタントに排便できるようになって下剤を卒業する方もでてきているので順調ですね。

 

痛みに対しの鍼については、何回もやっていて効いたかなっていうよりは、どちらかというと一回で即効性があるんだなってところでは、利用者さんが喜ばれている方が多いですね。

 

だから一回やった方は皆さんリピーターで「また、来週きますよー」って言ったら「やってもらいたいなー。なんかいいんだよ」っていってくれるので「もういいわー」っていう人はいませんね。

Q 施設に鍼灸師が常駐することなったとしたら、どんな可能性があると思われますか??

鍼灸師さんがいれば、今は週に1度ですけどもっとタイムリーに今いてくれたらなってことがあるんですよ。

 

どういう時かっていうと、痛みがあるとき、食欲不振、夜眠れないときですね。

 

結局、僕の中では、鍼を打つことによって副交感神経側の方にシフトしてリラックスする方に効くと聞いたのでさっきの話の便秘でもそうですけど、やっぱり交感神経に傾いてしまってて色んな問題を起こしてしまっているかたが多いですよ。

なので鍼灸師さんがいて、そういう風に適時、鍼をうって頂いて日中はちゃんと交感神経が働いて、夜は副交感神経が働くといったメリハリのついた生活リズムができればすごくいいなと思います。

リハビリをする上でも、その前に鍼をしてもらって痛みを気にせず、運動をしっかりできるってところと終わった後のコンディショニングで使えたらと思います。

施設に鍼灸師さんがいることで生活全体がコンディショニングできる、どうしてもリハビリはその時には運動できますけど、その時間外だとちょっと、、なかなか、、

 

鍼をさすことで生活のリズムに24時間管理できる効果があるかもしれませんね。
「可能性を感じます!!!」

この臨床研究は、

 

「快気堂鍼灸院」院長谷地一博・副院長須藤るる「北郷通はり灸整骨院」山本優太「鍼灸ひなかた」川原朋生で行われています。

 

また、この便秘治療は当院で受けることができます。

便秘でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 

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この記事を書いた人

亮鍼灸院 

院長 永田亮太(ながたりょうた)

 

36歳 はり師・きゅう師、柔道整復師の国家資格を持っています。

高校卒業から治療院で働きながら学校に通い資格を習得。

臨床経験は13年になります。 症状を改善された患者さんの笑顔が大好きな治療家です!!

 

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