帯広・北斗病院と共同研究する、札幌のはり専門の鍼灸院

顔面神経麻痺で目が閉じにくいときのケア

公開日:2026年10月3日
執筆・監修:鍼灸師 永田亮太(亮鍼灸院 院長)

顔面神経麻痺では、まぶたを閉じる筋肉も動きにくくなるため、「目が閉じきらない」「目が乾いてゴロゴロする」「寝ている間に目が開いている気がする」といった困りごとがよく起こります。顔の動きが戻るまでの間、目を守ることはとても大切です。このページでは、目が閉じにくいときのケアと受診の目安をまとめました。

目の痛み・充血・見えにくさがあるときは眼科へ

目の強い痛み、充血、まぶしさ、見えにくさがある場合は、角膜(黒目の表面)が傷ついている可能性があります。セルフケアで様子を見ずに、早めに眼科を受診してください。

こんな症状はありませんか

  • まばたきをしても、麻痺した側の目が閉じきらない
  • 目が乾く、ゴロゴロする、しみる
  • 朝起きると目が痛い・充血している
  • 涙があふれる一方で、目は乾いている感じがする
  • 風に当たると目がつらい

なぜ目のケアが必要なのか

まぶたを閉じる筋肉(眼輪筋)は顔面神経が動かしています。顔面神経麻痺でまぶたが閉じにくくなると、まばたきで涙が目の表面に広がりにくくなり、目が乾きやすくなります。乾いた状態が続くと、角膜が傷つくことがあります。

「涙が出るのに目が乾く」と感じる方もいます。まばたきが弱いと、涙が目の表面にうまく行き渡らず、目からあふれてしまうためです。

米国の診療ガイドラインでも、まぶたが閉じにくい方には目の保護を行うことが強く推奨されています[1]。顔の動きの回復を待つ間、目を守ることは大切な治療の一部です。

医療機関で受けられるケア

目のケアの方法は、まぶたの閉じ具合や目の状態によって変わります。主治医や眼科で、次のような方法を指示されることがあります。

  • 点眼薬(目薬):日中、目の表面のうるおいを保つために使います。
  • 眼軟膏:寝ている間など、長い時間目を保護したいときに使われることがあります。
  • 夜間のまぶたの保護:寝ている間にまぶたが開いてしまう方には、テープや保護具でまぶたを閉じた状態に保つ方法が指導されることがあります。

目薬の種類や使う回数、テープの貼り方などは、必ず医師の指示に従ってください。自己流でテープを貼ると、まつ毛やテープの端が目に当たって傷つけることがあります。

日常生活で気をつけたいこと

乾燥を防ぐ

  • 室内では加湿を心がけ、エアコンや暖房の風が直接顔に当たらないようにする
  • パソコンやスマートフォンを長時間見続けない(画面を見ているとまばたきが減りやすくなります)
  • 外出時はメガネやサングラスで、風やほこりから目を守る

目をこすらない・強く押さない

違和感があっても、目をこすったり、まぶたを指で強く押さえたりするのは避けましょう。目のまわりのマッサージをする場合も、眼球を押さないよう注意が必要です。

まぶたを無理に閉じる練習をしすぎない

早く閉じられるようになりたいと、力いっぱい目を閉じる練習をくり返す方がいます。顔に強く力を入れる練習は、回復の途中で口元まで一緒に動いてしまう「共同運動」につながる可能性があると考えられています。詳しくは「顔面神経麻痺のリハビリ|やりすぎに注意したい理由」をご覧ください。

冬や乾燥した季節は特に注意

札幌の冬は、外は冷たい風、室内は暖房で乾燥しがちです。目が乾きやすい季節は、加湿やメガネでの保護を意識しましょう。冬の過ごし方は「冬に顔面神経麻痺のこわばりが気になる方へ」で解説しています。

目が閉じるようになってきたら

神経の回復とともに、まぶたが少しずつ閉じられるようになることが多くあります。一方で、回復の途中から「口を動かすと目が細くなる」といった共同運動が気になり始める方もいます。こうした変化については「顔面神経麻痺の共同運動・拘縮とは?後遺症を解説」で解説しています。

亮鍼灸院の考え方

当院では、初回にまぶたの閉じ具合や目の乾きの状態をうかがい、病院・眼科で指示されている目のケアを続けていただくことを前提に施術を行います。目の痛みや充血、見えにくさがある場合は、施術よりも先に眼科への受診をおすすめしています。

施術では、顔だけでなく首・顎・肩まわりの緊張や呼吸の状態など、体全体の状態も確認します。また、ご自宅でのリハビリが目に力を入れすぎるやり方になっていないかも、一緒に確認するようにしています。

病気の全体像は「ベル麻痺とは?原因・症状・治療・回復までを解説」、当院の施術内容は「札幌で顔面神経麻痺の鍼灸をお探しの方へ」をご覧ください。

執筆・監修

鍼灸師 永田亮太

  • 亮鍼灸院 院長
  • 明治国際医療大学大学院 在籍
  • はり師・きゅう師・柔道整復師
  • 日本顔面神経学会「顔面神経麻痺リハビリテーション技術講習会」認定試験 合格(2025年8月)
  • 2024年度 日本顔面神経学会にて症例発表

院長プロフィールを見る →

参考文献

  1. Baugh RF, et al. Clinical practice guideline: Bell's palsy. Otolaryngol Head Neck Surg. 2013;149(3 Suppl):S1-27. [PubMed]

※ 本ページは顔面神経麻痺についての一般的な情報提供を目的としたもので、医療機関での診断・治療に代わるものではありません。

顔面神経麻痺についてさらに知る

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亮鍼灸院では、病院での診断・治療内容や発症からの経過を確認しながら、施術方針を考えています。病院での治療中の方、発症から時間がたって後遺症が気になる方も、ご相談ください。

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