顔面神経麻痺の再発について
「顔面神経麻痺はまた起こるのでしょうか」――回復してきた方や、以前にも経験したことがある方から、よくいただく質問です。このページでは、顔面神経麻痺(主にベル麻痺)の再発について、現在わかっていることと、再発が心配なときの考え方をまとめました。
再び顔が動かしにくくなったら、まず医療機関へ
以前に顔面神経麻痺を経験していても、新たに顔が動かしにくくなった場合は、「また同じものだろう」と自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。発症早期の治療が大切なのは、再発のときも同じです。
こんな不安はありませんか
- 一度治ったけれど、また起こるのではないかと心配
- 以前と反対側、または同じ側に、再び顔面神経麻痺が起きた
- 疲れがたまると、顔に違和感が出る気がする
- 再発を防ぐために、何に気をつければよいか知りたい
ベル麻痺は再発することがある
ベル麻痺は、多くの場合は一度きりで終わりますが、再発することもあります。再発性のベル麻痺について複数の研究をまとめた報告では、研究によって再発した方の割合は0.8〜19.4%と幅があり、平均すると約6.5%だったとされています[1]。
同じ報告では、再発が以前と同じ側か反対側かによって回復の見通しに差はみられなかった一方、再発したときの方が、初めてのときより完全に回復する割合が低かったとされています[1]。
数字の受け止め方
再発の割合は、研究の対象や追跡期間によって大きく変わります。「必ず再発する」「再発しない」といずれかに決めつけるものではなく、「再発することもある」と知っておくことが大切です。
再発したときに気をつけたいこと
早めに受診する
再発の場合も、ステロイド薬などの治療は発症からできるだけ早く始めることが大切とされています。以前の経験から様子を見てしまう方もいますが、早めの受診をおすすめします。
ほかの原因がないかを確認してもらう
顔面神経麻痺をくり返す場合、医療機関ではベル麻痺以外の原因がないかを、より詳しく調べることがあります。以前の診断や治療の内容、検査結果があれば、受診の際に伝えるとスムーズです。
耳の症状がないか確認する
耳の痛みや水ぶくれ、めまい、聞こえにくさがある場合は、ハント症候群の可能性もあります。違いは「ベル麻痺とハント症候群の違い」で解説しています。
再発を防ぐ方法はあるのか
現時点では、ベル麻痺の再発を確実に防ぐ方法は確立されていません。疲れやストレス、睡眠不足のあとに発症したと話される方は多いものの、それらが再発の直接の原因と言い切れるわけではありません。
そのうえで、体調をくずさないよう休養や睡眠をとること、持病がある方は主治医のもとで管理を続けることは、日々の健康のためにも大切です。
回復の途中・回復後の過ごし方
回復の途中で、顔の動きに波があるように感じることがあります。疲れたときに顔のこわばりや違和感が強くなると感じる方もいますが、これは必ずしも再発を意味するものではありません。こわばりなどの後遺症については「顔面神経麻痺の共同運動・拘縮とは?後遺症を解説」をご覧ください。
ただし、明らかに顔が動かしにくくなった、麻痺が強くなったと感じる場合は、早めに医療機関を受診してください。
鍼灸について
日本顔面神経学会の『顔面神経麻痺診療ガイドライン 2023年版』では、顔面神経麻痺に対する鍼治療が、急性期・慢性期とも「弱く推奨する」とされています[2][3]。一方で、鍼灸で再発を予防できるという根拠は、現時点ではありません。
亮鍼灸院の考え方
再発された方が来院された場合、当院ではまず、今回の発症日や受診状況、以前の発症時の経過や治療内容をうかがいます。医療機関をまだ受診されていない場合は、受診を優先していただくようお伝えしています。
そのうえで、顔の動きに加えて首・顎・肩まわりの緊張や呼吸の状態など、体全体の状態を確認し、今の時期に合わせた施術方針を考えます。以前と比べて不安が大きい方も多いため、検査結果の意味やこれからの過ごし方を、できるだけわかりやすくお伝えするよう心がけています。
発症直後の鍼灸については「発症直後に鍼灸を受けてよいか」、当院の施術内容は「札幌で顔面神経麻痺の鍼灸をお探しの方へ」をご覧ください。
参考文献
- Dong SH, Jung AR, Jung J, et al. Recurrent Bell's palsy. Clin Otolaryngol. 2019;44(3):305-312. [PubMed]
- 日本顔面神経学会 編.顔面神経麻痺診療ガイドライン 2023年版.金原出版;2023.
- 粕谷大智.顔面神経麻痺診療ガイドライン2023年版における鍼灸の役割と可能性.全日本鍼灸学会雑誌.2023;73(4):277-282. [J-STAGE]
※ 本ページは顔面神経麻痺についての一般的な情報提供を目的としたもので、医療機関での診断・治療に代わるものではありません。
顔面神経麻痺についてさらに知る
顔面神経麻痺についてお悩みの方へ
亮鍼灸院では、病院での診断・治療内容や発症からの経過を確認しながら、施術方針を考えています。病院での治療中の方、発症から時間がたって後遺症が気になる方も、ご相談ください。
栄町院 011-839-0217 / 大通院 011-213-0722(木・日定休)









